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第3回パソコン文字通訳シンポジウムは、以下の宣言を採択し無事に終了しました。 ご協力ありがとうございました。 【宣言】 1)聴覚障害者は、「話の全てを知る権利」がある。 2)障害者総合支援法の意思疎通支援を行う者の派遣事業で、要約のみならず、話の全てを伝えることを目指す文字通訳を利用できるようにすべきである。 3)障害者総合支援法の意思疎通支援を行う者の養成事業に関して、話の全てを伝えることを目指す連係入力を行なう要約筆記者を養成するテキストを作成し、資格認定試験を実施すべきである。 注)上記「意思疎通支援を行う者」には、「特に専門性の高い意思疎通支援を行う者」も含む。 |
2013年1月6日 第3回パソコン文字通訳シンポジウムの様子 | ||
【開催主旨】 2006年に障害者権利条約が国連で採択され、その中で「全ての人権と基本的自由が普遍的である」ことが再確認されています。聞こえないから、話の一部が分かれば十分であるとか、話の重要な部分を別の人が選んで、それだけを伝えるということは、上記の考え方に反することは明らかです。聞こえなくても、基本的に話の全てを知る権利を持っており、話の中で、どこが重要で、どこが重要でないかは、聞く人が選ぶ権利を持っているはずです。 私たちは、「文字通訳」という言葉を使っています。音声言語の通訳で、話の一部だけしか伝えないとか、重要な部分を通訳が選択して、それだけを伝えることは許されません。すなわち、「通訳」という場合、言葉は違っても、話されたものと、通訳されたものが等価であることが求められます。一方、今までの要約筆記では、再構築とか、無駄な枝葉のそぎ落としとか、要約ということが最も大切な技術として尊重され、等価であるかどうかという点が軽視されてきたのではないでしょうか? 手書き要約筆記の場合、書く速度は話す速度の1/5であり、やむを得ず、要約をしてきた。しかし、連係入力が可能なパソコン文字通訳が出現し、ほとんど話されたままを入力することが可能になったにも拘わらず、昨年厚生労働省から通知された「要約筆記者養成カリキュラム」では、基本は、パソコン文字通訳でも、連係入力ではなく一人入力となっており、要約方法の学習が中心となっています。このため、資格試験では、1人要約入力の技能を評価することとなり、将来、連係入力の技能を持った入力者がいなくなってしまう心配があります。 要約を求める聴覚障害者がいることも事実ですが、同時に、自分の聞く権利をきちんと保障してほしいと考える聴覚障害者もいることが軽く見られていると言わざるを得ません。裁判員制度、政見放送など、文字での情報保障が聴覚障害者の権利を守る上で、大きな役割を果たす機会が増えつつあります。 「どのような文字通訳が聴覚障害者の権利を守れるのか?」、また、「そのような文字通訳者を養成するにはどのようにしたら良いのか?」、パソコン文字通訳のあり方について、皆さんと一緒に考えたいと思っております。 |
【概要】 日時:2013年1月6日(日)12:30〜16:00 場所:板橋区立グリーンホール601号室 東京都板橋区栄町36-1 都営地下鉄三田線 板橋区役所前から徒歩5分 地図はこちら TEL:03-3579-2221 FAX:03-3579-2295 プログラム: 12:30 開会 12:35 第1部 基調講演「文字通訳と聴覚障害者の知る権利」 長谷川洋 氏 (当事者)(全国文字通訳研究会理事長、日本聴覚障害者コンピュータ協会顧問、 元筑波技術短期大学助教授) 13:05 第2部 提言 「どのような文字通訳が権利を守れるか?」 ・招待提言 「ろう者の話す権利・聞く権利と文字通訳」 越智大輔 氏(当事者)(社団法人・東京都聴覚障害者連盟事務局長) ・提言1 「聞こえない人の心に響く文字通訳を」 高木いづみ 氏(当事者)((特非)名古屋難聴者・中途失聴者支援協会会員、全国文字通訳研究会会員) ・提言2 「体験から思うこと」 荻田幸子 氏(当事者)(神奈川県中途失聴・難聴者協会、小田原市聴覚言語障害者福祉会 要約筆記サークルこゆるぎ) ・提言3「手書き要約筆記の今昔(いまむかし)」 □□ □□ 氏 (当事者) (匿名・代読発表を希望) 14:50 休憩 15:00 第3部 パネルディスカッション 15:45 宣言文の採択 16:00 閉会 参加人数:77名(事前登録制) 参加料: 会員 無料 非会員 500円 情報保障:遠隔パソコン文字通訳、手話通訳 主催:全国文字通訳研究会 (本会は、聴覚障害者の求める文字通訳の研究・普及の推進に寄与することを目的とした当事者団体です。) 後援:特定非営利活動法人 日本遠隔コミュニケーション支援協会 |
第1回と第2回のパソコン文字通訳シンポジウムの資料などは、こちら