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第2回 パソコン文字通訳シンポジウム
 『私が望むパソコン文字通訳』
〜聴覚障害者の「多様なニーズ」の実際〜


【開催主旨】

2011年3月に厚生労働省から「要約筆記者養成カリキュラム」の通知があり、全国で、従来の要約筆記奉仕員の養成に代わって要約筆記者の養成が始まり資格認定試験の準備も進められています。
長年、パソコン要約筆記者は、目標に「速く、正しく、読み易く」を基準に上げ、そのバランスの中で「個々の利用者の最適値」を追及し、利用者の多様なニーズに応えようと努力して来ました。
しかし、プロジェクター投影される字幕は、大勢で利用するため、個人のニーズではなく平均的なニーズへの対応が前提になることや、「話の全てを知る」ことが可能な入力は高い技能を必要とすることなどから、利用者個人の要望を主張することを遠慮する雰囲気がありました。
このため、聴覚障害者の平均的なニーズを暗黙の前提にして、実現可能な範囲で三原則のバランスを取るのをパソコン要約筆記の目標とすることを利用者も受け入れて来ました。
しかし、ほぼ全文表示のテレビ字幕や携帯メールなどを日常的に使用し、社会で健聴者に混じって活躍している世代からは、正確性と即時性のより高い文字通訳への要望が出ています。
一方、高齢者などからは、読み易い高要約度の字幕への要望も根強くあります。パソコン要約筆記に対するニーズが従来より多様化していると言えます。
また、IT技術の進歩などにより、このような多様なニーズに応える技術的な解決策も見えつつある状況と思います。
要約筆記者が公的に認められることは喜ばしいことではありますが、今までと同じ利用者ニーズを想定した養成・資格認定が行われると、そこから外れたニーズを持つ聴覚障害者は公的支援などを利用しずらくなり、聴覚障害者の「話のすべてを知る権利」が守られなくなる懸念があります。本シンポジウムは、聴覚障害者が持つ多様なニーズを発信し、パソコン文字通訳の将来像に向けた提言を行いたいと考えます。
 
【概要】

日時:2012年1月8日(日)10:00〜17:15

場所:神奈川県民サポートセンター ホール(横浜駅徒歩3分)

プログラム:
 10:00      開会
 10:10〜12:30 【第1部】 提言 「私が望むパソコン文字通訳」
          □□□□氏 (当事者)(□□県中途失聴・難聴者協会□□□□□□)  (開催後の匿名を希望)
          奥山 陽 氏 (当事者)(中央大学文学部人文社会学科哲学専攻3年)
          戸田 良江氏 (当事者)(要約筆記と手話のサークル「ひまわり会」代表)
          岡田 孝和氏 (当事者)
                  (日本社会事業大学聴覚障害者大学教育支援プロジェクトプロジェクトマネージャー)
          菅原 睦子氏 (当事者)(横須賀中途失聴者・難聴者の会「こだま」)
 12:30〜13:30 昼休み
 13:30〜15:00 【第2部】 提言 「聴覚障害者の多様なニーズの実際」
          長谷川洋 氏 (当事者)
                  (日本聴覚障害者コンピュータ協会顧問、元筑波技術短期大学助教授)
          宇田二三子氏 (当事者)(大阪市難聴者・中途失聴者協会理事長)
          河野 純大氏 (学識経験者・研究教育者)
                  (筑波技術大学産業技術学部産業情報学科准教授)

 15:00〜15:15 休憩
 15:15〜17:00 【第3部】 パネルディスカッション「聴覚障害者の多様なニーズと三原則」
 17:00〜17:15 全国文字通訳研究会について
 17:15      閉会

参加者:120名

参加料:無料(事前登録制)

情報保障:遠隔パソコン文字通訳、手話通訳

主催:パソコン文字通訳シンポジウム実行委員会

後援:特定非営利活動法人 日本遠隔コミュニケーション支援協会



以下は、シンポジウムの案内や当日に配布された資料です。(無断転載・配布禁止)

参加者募集
 
開催概要・参加者募集 (開催後の匿名希望に対応し一部伏字があります)
 
【第1部】 提言 「私が望むパソコン文字通訳」
 
□□□□(□□□□)氏 (当事者)(□□県中途失聴・難聴者協会□□□□) (開催後の匿名を希望)
奥山 陽(おくやま よう)氏 (当事者)(中央大学文学部人文社会学科哲学専攻3年)
戸田 良江(とだ よしえ)氏 (当事者)(要約筆記と手話のサークル「ひまわり会」代表)
岡田 孝和(おかだ のりかず)氏 (当事者)(日本社会事業大学聴覚障害者大学教育支援プロジェクトプロジェクトマネージャー)
菅原 睦子(すがわら むつこ)氏 (当事者)(横須賀中途失聴者・難聴者の会「こだま」)
 
【第2部】 提言 「聴覚障害者の多様なニーズの実際」
 
長谷川洋(はせがわ ひろし)氏 (当事者)(日本聴覚障害者コンピュータ協会顧問、元筑波技術短期大学助教授)
宇田二三子(うだ ふみこ)氏 (当事者)(大阪市難聴者・中途失聴者協会理事長)
河野 純大(かわの すみひろ)氏 (学識経験者・研究教育者)(筑波技術大学産業技術学部産業情報学科准教授)
 
全国文字通訳研究会
 
『全国文字通訳研究会』入会のお誘い
 
参考資料
 
全文通訳とは?
利用者を交渉弱者にしてしまう要約筆記の例